拳が頬にめり込む。

顎が外れたまま吹き飛び、転倒して床に激突した拍子に、その外れた顎が再びはまった。

それほどの威力、それ程の衝撃。

「ふぅうぅぅうぅ…」

大きく息を吐き、リュートは古奈美とベルの方を見る。

「古奈美、ベルは?」

「あ、は、はいっ」

我に返り、すぐに駆け寄る古奈美。

出血はあるものの、佐々木が刀で突いたのは肩の辺りだったようだ。

命に別状はない。

「そうか…悪ィ、来るのが遅れた。見廻組の雑魚相手に時間食っちまって」

「リ、リュート君…あの…私は…」

何か言いかける古奈美。

しかし。

「おい担任っっっっ!」

古奈美の言葉もそっちのけで、リュートは吠えた。

「体罰にも程があんだろうが!立てこの野郎!」