「そちらは橘 ベルさん…ですよね。高等部の」

「う、うん。そうだけど」

転校してきたばかりの男子生徒が、もう自分の名前を知っている事に、ベルは少し不安を覚える。

「それから…」

男子生徒は古奈美の顔も見た。

「勅使河原 古奈美ひ…古奈美さん。貴女も高等部ですよね」

「……」

古奈美は何も答えなかった。

温厚な性格の古奈美が、珍しく男子生徒を睨んでいる。

「そんな人は知りませんね。私は武装天使プリティープリンセスです」

「ははははは!冗談がきついですね!」

高らかに笑った後。