そう、夏休みが終わり、天神学園は本日より2学期だ。

「えー、という訳で」

高等部1年のクラス。

担任の佐々木 惟三郎(ささき たださぶろう)教諭が教壇から言う。

白髪、糸目、頬こけの、見るからに体弱そうな男性教諭だ。

隣に立っているリュートの方が、よっぽど強そうに見える。

「2学期からこのクラスの新しいお友達になる、リュート・グリフィノー君でーす。皆、仲良くして下さーい」

杉田 智和ボイスのやる気のない声で言う佐々木教諭。

てか高校生にもなって、新しいお友達とか。

もうちょっと他に言い方ないのか。

「あー、それじゃリュート君、クラスの皆に挨拶を」

佐々木教諭が促すと。

「よっ!待ってました!」

「大統領っ」

ベルと沖田が冷やかす。

彼らだけではない。

古奈美や雪村、席には着いていないが、天井裏には佐助の気配もある。

「全員同じクラスとか、何だこの手抜き…理事長クラス決めるの端折りやがったな」

リュート、正解。