(とはいえ…)

知ってしまった以上、今まで通りの態度というのはなかなか難しいものだ。

姫扱いしてしまうという意味ではない。

姫であるという事で、彼女の素性を知る誰かに狙われはしないかと、警戒してしまう。

「リュート君?」

古奈美がリュートの顔を覗き込む。

「何か顔が強張っていますね…緊張してますか?」

「あ…いや…」

「そうですよね、今日から新学期ですもんね」

古奈美は微笑む。

「そんなに怖がらなくても大丈夫。天神学園は、どんな人でも受け入れてくれるいい学園ですよ」