「おー、お勤めご苦労」

フレンドリーに片手を上げて挨拶するリュート。

「……」

男子生徒達は、笑みさえ零さない。

「ミルトゥワより留学してきた、グリフィノー家次男のリュート・グリフィノーで相違ないか」

「……ああ、まぁ、そうだけどよ」

リュートとて、自警団の隊員全員と面識がある訳ではない。

なので初対面の隊員は、こういった話し方になってしまうのだろうか。

それにしては、随分と固い口調だが。

「俺に何か用か?」

「…貴方は勅使河原 古奈美と親しいと伺った。彼女の現在の所在は分かるか?」