メラメラと、陽炎のように手刀でくゆる炎の精霊・サラマンダーの炎。

「グリフィノー拳闘術・勇者精霊拳・炎の型!」

名称なっげ。

「んじゃグリフィノー拳闘術・炎の型」

一番大事な始動キー取っ払っちゃったよ!

基礎が出来ていない分、何もかもが出鱈目なリュートである。

そんな彼に。

「あー…失礼」

数人の男子生徒が歩み寄ってくる。

この猛暑の昼日中に、首元までキッチリ閉じた詰襟の学生服。

手には刀を携えている。

その出で立ちから、リュートは自警団の隊員達と認識していた。