草履を履いた足で、クルリと踵を返す。

「維新政府軍密偵方の任、最後まで全うしますとも。でも僕が出張るのは、リュート君が団長の傍にいない時だけです。リュート君だけでは手に余る刺客が、団長を狙ってきた時だけです。そうでないなら、人殺しが団長の傍らにいるもんじゃない」

「沖田、そこまで自分を卑下しなくとも…」

「卑下じゃありません。純然たる事実です」

斎藤の言葉もやんわりと制して、沖田は微笑んだ。

「僕は人斬り、人殺しなんですよ。今思えば、こちらの世界で教わったユウシロより、コトヅキの剣の方が向いていたかなあ…源流は暗殺剣だったって話だし」