クドクドとお説教を繰り返され、夏祭りの帰り道をトボトボ歩く古奈美。

「…おい、もういいんじゃないか?」

自警団三番隊隊長の斎藤が言う。

「団長も反省している事だし、その辺にしておけ沖田君」

「お言葉を返すようですけどね、斎藤さん」

古奈美の耳に届かぬように、沖田は返した。

「…団長…勅使河原さんは、ただの同郷の人間じゃないんです。本来なら、僕らのようなイモ侍が口を利く事さえ恐れ多いお方なんです」

ショボンと、項垂れる背中を見つめる。

「ま、本人は気付かれていないつもりですけどね」