「だが」

ダンドリッジは口角をつり上げた。

「マスター、どんなに兄妹同然に育ったとはいえ、俺は実の兄ではないのだ。いい加減に兄離れはせねばならん」

「……………は?」

ポカン、と口を開けるベル。

いや、話の流れから言うと、そこは『俺に惚れるなよ』的なシチュエーションじゃない?

「マスターももう高校生だ。仲良き兄妹は麗しいかもしれんが、マスターなりのプライベートを持つべきだろう。お兄ちゃんお兄ちゃんとついてくるのは、そろそろ卒業すべきだと、従者は提案する」

実の兄じゃないのに慕ってるんだから、そこはほら…皆まで言わせるな、この馬鹿蝙蝠!

「そういうのは、人間の世界ではブラコン、シスコンと言うのだろう?学園の連中に冷やかされるのは、マスターも面白くあるまい」

実の兄妹じゃないって、アンタが言ったんでしょうが!