「んな事ぁどうでもいいんだよ」

耳を穿りながら言うのは十番隊隊長・原田 卯之助。

「おや、いたんですか。留学生のリュート君に登場早々ワンパンでやられた癖にいまだに隊長職を恥ずかしげもなく続けている原田さん」

沖田毒舌なのな。

原田涙目。

「原田の言いたい事は分かる。何の用で呼び出したのかが訊きたいのだ」

八番隊隊長・東郷 平助が腕組みしたまま言う。

「あー、そうですね。そろそろ用件言わないと。実はですね」

ニコニコ笑いながら、沖田は言った。

「団長職結構めんどいので、誰か代わって下さい」

役職投げたーーーー!

その場にいた隊長達が、思わず心の中で叫ぶ。

「や、おまっ…沖田!団長めんどいて!めんどいて!」

四番隊隊長・松平 忠治、裏手ツッコミ。

大事な事なので2回言いました。

「そうは言うけど松平さん、団長って意外と書類仕事ばっかりなんですよ。自警団のトップだから、ドヤ顔して隊長さん達を顎でこき使って高見の見物でいい気分なのかなあって思ってたら、案外そうでもなくて。飽きました」

さりげなく腹黒い一面を覗かせて毒を吐く沖田。