ダンドリッジを踏みつけたままのヴラドの体が、炎に包まれる。

否。

炎のような真紅の魔力に包まれる。

…天神学園の結界が、反応した。

桜の結界。

邪悪な者を学園内に寄せ付けず、邪悪な意思や力を弱体化させる、この学園が学び舎になる前から、この地に施されていた聖なる結界。

その結界が、最大級で反応している。

「俺より強い力を持つ者は、過去にも何度も天神学園に来ただろうが、俺ほど邪悪な力を振るった者は、この場所が学び舎として成立して以来初めてだろうな。臥龍の時代から、この結界がこれほど反応した事は皆無なのだから」

結界に拒絶され、敷地内から弾き出されるギリギリ。

それ程の邪悪な魔力をその身に帯びながら、ヴラドは二挺拳銃マンイーターとソウルイーターを空に投げ上げる。

「殺れ、我が使い魔の拳銃達。同族の血を持つこの男の肉体を削り上げろ」