ヴラドは嘲笑する。

「足蹴にされておいて、これが全力か、だと?」

そういう事は優位に立った者が言う言葉だ。

敵を見下した者が言う言葉だ。

この厨二病が。

この期に及んで、まだ治療できていないと見える。

「貴様ら厨二病が決まって言う次の台詞はこうだ」

ヴラドとダンドリッジの言葉が重なる。

「「俺を殺すなら今だぞ。中途半端に追い詰めて、俺の『真の力』を目覚めさせる前に」」

その台詞があまりにも予想通りだった為に。

「くはははははははははははっ!」

ヴラドは笑った。

白髪を振り乱し、哄笑した。

「いいだろう馬鹿孫!見せてやろう!そして出せるものなら出してみろ、貴様の真の力とやらをな!」