父には構っていられない。

ダンドリッジはどこに行ったのだろう。

玄関を出るベル。

それと、ほぼ同時だった。

「!!」

ドン!と爆発音。

遠くに上がる黒煙が、ベルの瞳に映った。

あれは天神学園の方角だ。

…別に珍しい事ではない。

天神学園で爆発が起きるのは日常茶飯事。

文科系部活の薬品の実験、化学教師の薬品調合の失敗、教室内で花火をやろうとして小火を起こす生徒。

黒煙が上がったくらいで、驚く必要はないのだが。

…胸騒ぎがする。

ベルは迷う事なく、天神学園へと走った。