…話は、数時間前に遡る。

転移魔法陣でミルトゥワに帰還するティグルとアマリリスを見送り、リュート、ベル、古奈美、佐助の4人は帰路についた。

「お兄さんがまた帰っちゃって、寂しくなるね、リュート君」

リュートを気遣うように言うベル。

「あー?んな事ねぇよ。ティグやアマリリスがいなくても、こっちゃ賑やかだしな」

「まあ、それは否定しないですけどね」

苦笑いする古奈美。

「とはいっても、まだこっちの世界で分かんねぇ事は沢山あるからな。色々教えてくれよ。頼りにしてるぜ」

「リュート殿に信を置かれるとは、この佐助、感謝の極み」

また、何処に隠れてるんだか分からない佐助の声だけが聞こえる。

一泊二日の海水浴も終了。

彼らは各々の家へと戻っていく。