その白髪の吸血鬼は、黒髪の吸血鬼を足蹴に口角をつり上げた。

愉悦に歪んだ表情は、恍惚とさえしている。

右手の黒鉄の拳銃の銃口を、向ける。

そしてトリガーを引く。

1発、2発。

454カスール弾は、黒髪の吸血鬼の胸に穴を穿った。

喀血する黒髪の吸血鬼。

その姿に、目を細める。

ああ、何という至福。

他者を踏み躙り、蹂躙するが吸血鬼の本能。

彼は、嗤った。