そうやって鬱陶しく泣きじゃくっていたタンポポが。

「……」

顔を上げる。

「リュー君臭い」

「あー?」

そりゃあ臭いだろう。

2日間、荒野で放浪しながら稽古とも徘徊ともつかない生活を送っていた。

無論風呂など入っていない。

「そんなの駄目だよリュー君!清潔にしとかないと女の子にモテないよ?嫌われちゃうよ?」

「何だよ、オフクロもリプニーばばあみてぇな事言うんだな」

「リプニー先生をそういう風に言ったら駄目!フラウちゃんから聞いたよ、リプニー先生に助けてもらったんでしょ?」

「お節介焼かれただけだっつの」

「そういう言い方しないの!お風呂入ってから、リプニー先生にお礼言ってきなさい!」

「そんなん面倒臭「言ってきなさい!」

母に強く出られると弱い。

タンポポに背中を押され、リュートは渋々離宮内の大浴場へと向かった。