すかさずダンドリッジが、二挺拳銃のクライムとパニッシュメントを抜く。

「大した観察力と洞察力だ…マスター、この男を殺す許可を」

「ダン!いい加減にして!」

承認を求めるダンドリッジを、ベルは叱り飛ばす。

「……」

ティグルの瞳が、細まった。

あの拳銃、リュートの左腕にあった銃創。

そうか…コイツが…。

誰にも悟られぬよう、ギリッと歯噛みする。

「ほぅ」

ダンドリッジも薄く笑う。

「気付いたようだな、御名答。俺がリュート・グリフィノーの左腕を痛めつけた張本人だよ、ティグル・グリフィノー。カスール弾を数発ぶち込んで、着衣が血に染まるほどに痛めつけて、骨に罅まで入れてやった」