ティグルはリュートの肩を摑む。

「大丈夫、兄ちゃんが来たからには、もう安心だからね。よく1人で踏ん張ったね、偉いぞリュー君。後は兄ちゃんに任せていいんだよ」

笑顔を浮かべて告げるティグルに、強い気配が感じられる。

殺気とまでは言わないが、これは明らかに臨戦態勢だ。

「さ、怖がらないで言ってごらん、リュー君。絶対僕が守ってあげるから。リュー君に酷い事したのは、誰だい?」

「ち、違ぇって、ティグ」

少しばかり狼狽しながら、リュートが言う。

「これは、天神学園に来てからイザコザを解決したのが原因で…別に一方的にやられたとかじゃなくて、何つーか、漢と漢の勝負の結果っつーか…」

「そっか、やられっ放しじゃなかったんだね。リュー君は強くなったなあ、偉いよ」

肩に置いていた手を、背伸びしてリュートの頭に置き、撫でる。

「後は兄ちゃんに任せて…やったのは誰だい?」