大剣を背中に、腰にはダガー。

正直、異邦人丸出しの出で立ちです。

そんなお姿で天神地区を闊歩するティグル。

ここが天神地区じゃなかったら、速攻銃刀法違反でお巡りさんのお世話になるとこだ。

「天神学園ってどこなんだろうなあ…」

キョロキョロと辺りを見回すティグル。

「学び舎ならば、学生らしき者について行けば辿り着くかもしれませんよ?」

アマリリスが言う。

「そうだね、お、あそこにいる彼なんてそうじゃない?ああいうの、こっちの学生は着ているって父さんから聞いたよ」

そう言ってティグルが指差したのは、金髪リーゼント、短ラン姿の見るからにヤンキー。

いやいやティグル、それ近付いたらアカン奴やから。

「あ゛ぁん?」

指差されたヤンキーが、ティグルに気付く。

「てめ、何指差してんだ、あ゛?何か文句あんのか、お゛?」

「君、天神学園って知らないかな?僕ら、そこに用事があるんだけど」

凄むヤンキーに構わず、にこやかに話しかけるティグル。

「知らねぇよ!嘗めてんのかゴルァ!」

ティグルの胸倉を摑んだヤンキーは。

「っ!?」

一瞬、目の色の変わったティグルの表情にビクリと震える。