「やっぱり」

ベルがリュートの横顔を見た。

「リュート君はグリフィノー…勇者の一族なんだね。壊れかかっていた天神学園を救ってくれた」

「…こんなん、勇者なもんか」

リュートは苦笑いする。

世界でも、惑星でもなく、小さな一学園のイザコザを少し治めただけ。

この程度で勇者なんて、とても名乗れないし、名乗る気もない。

本当の勇者というのは、この程度のものではない。

「本当の勇者ってのは、俺なんかじゃなくて…」