振り向くリュート。

彼が見たものは。

「見ぃつけた」

刀を大上段に構え、空中で身を躍らせる沖田 蒼次郎の姿だった。

咄嗟に飛び退くリュート。

振り下ろされる沖田の刀。

激突音が、廊下に響く!

「…勘が鋭いですねえ」

ゆっくりと立ち上がる沖田。

「佐助の警告があったからな」

「いえ、そうではなく」

沖田は微笑む。

「僕の斬撃を受け止めなかった事に対してです。僕は天神学園に来てから、こっちの流派も少しだけ学びましてね…ユウシロリュウ、だったかな?そこの『ザンテツ』って技法を教わったんです。完璧じゃあないですけどね」

刃を返す沖田。

「もし受け止めたら、リュート君の両腕は飛んでました」