教室の引き戸を僅かに開け、外の様子を窺う。

遠くの方で自警団隊員達の声が聞こえるが、こちらに近付いてくる様子はない。

この隙に、リュートと古奈美は移動を開始する。

自警団の本部となっている教室に向かうつもりだった。

そこに行けば、団長の近藤 敢がいる筈。

近藤の正体を暴く。

そして、真意を問いただすのだ。

足音を立てないように、小走りに廊下を進むリュートと古奈美。

自警団本部は3階にあるという。

一気に向かう。

その時だった。

「危ないリュート殿!」

相変わらず身を隠したままリュート達を追跡していた佐助の警告が響く。