だが、リュートが土方に真実を問い詰める暇もなく。

「見つけたぞ!」

「土方副長ご無事ですか!」

他の自警団隊長が、隊員が、次々と大挙して押し寄せてくる。

あれだけ派手にやり合っていたのだ。

物音に気付いて集まってくるのも無理はない。

気が付けば数十人。

リュートと古奈美は完全に包囲されていた。

「ちっくしょ…」

歯噛みするリュート。

傷を負っていなくとも、これだけの人数の包囲、掻い潜れるかどうか…。

その時だった。

「うお!」

突如、自警団隊員達の足元に飛来する手裏剣。

続いて煙幕!

白煙に包まれた学食に、声が響く。

「攪乱、それに乗じての逃走術は隠密の十八番」

「佐助か!」

リュートが声を上げる。

生徒会長・雪村の指示で、佐助がリュート達の救出に来たのだ。

「この機に離脱を、リュート殿!」