目の前が真っ白になるような衝撃。

拳を受けた際に唇を噛んでしまったのか。

土方は血を滴らせながら転倒する。

自警団鬼の副長が地に伏す様など、誰が見た事があろうか。

「あ、あの土方さんを…」

見ていた古奈美までもが、その光景に愕然とする中。

「よーく考えろよ、土方」

これまでのダメージで呼吸を乱しながら、リュートは言う。

「お前が心底信用して慕ってる近藤さんとやらは、本当に近藤さんか?それ以前に、近藤 敢なんていう生徒が、本当にこの天神学園に存在すんのか?」

リュートは、真っ直ぐに土方を見た。

「お前の信じてる近藤 敢は、本当は何者なんだ?」