「教えてやろうか?」

古奈美の言葉に返答するように、学食の入り口で声がした。

そこに立つのは、長い前髪、長身の男。

「規律と風紀こそが、争いを防ぐ唯一の手立てだからだ。無法は火種となる。近藤団長がそれを我々に教えてくれた」

「っ!」

古奈美が腰を浮かせる。

「土方副長っ…」

「自警団総動員で貴様を探していたが、まさか副長の俺が一番乗りで見つけてしまうとはな、リュート・グリフィノー」

ゆっくりと歩を進める土方。

「近藤団長直々に、貴様の取り締まりの命令が出た。自警団の風紀活動執行の妨害を行った貴様を、取り締まれとのお達しだ。悪く思うなよ」