だが優男は、言い訳を考える必要はない事を知る。

校舎玄関。

床に横たわる自警団十番隊の面々。

そして隊長の原田。

「何だ…仲間呼んできたんかよ」

その中心に立つ、白い空手着、赤い鉢巻きの青年。

「…これは、彼が?」

「はいっ、勅使河原 古奈美の連れの、昨日天神学園にやってきた者だそうです!」

優男を呼びに行った隊員が言う。

「勅使河原さん」

優男は古奈美に視線を向けた。

「これはどういったお考えで?」

「ち、違うんです!」

古奈美が釈明する。

「私達は自警団をどうこうするつもりなんて全然なくて!ただ原田さんがリュート君に詰め寄ってきたので、説明はしたんですが…」

「おぅ、何か横柄な態度で言い掛かりつけてきたんでな、ブッチめてやった」

古奈美の必死の説明を、あっという間に台無しにするリュート。