あたしは先生のかばんを横取りして2階の自分の部屋に逃げて、 電気もつけずにベッドに座り込んだ。 先生はいつもは上がって来ない。 でも今日は階段を上がってくる足音がした。 「華、かばん」 かばんを抱きかかえながらベッドに座るあたしに、 先生は部屋のドアの外でそう言った。 「ここまで取りに来れば」 ーーーー先生、 部屋に入って来て。 お願い。