先生と話さなくなってから、
学校がまたどんどんめんどくさくなって

あたしは保健室でよく授業をサボった。

冬になってもう外は寒いから、裏庭に行くことなんて考えても見なかった。


「あーーーーさむっ、、、華ちゃん?」

保健室のソファで寝転んでうとうとしてたら、誰かが入って来た。

井上くんだ。


「こんなとこに居たのか、寒いもんね」

「井上くんもサボるの?大丈夫?卒業出来るの?」

「俺はもう単位とったし就職先も決まってるから大丈夫」


井上くんはにこっと笑ってあたしが寝転んでいるソファの肘置きに腰掛けた。


「裏庭で毎日待ってるのに全然来てくれないじゃん」

「、、ふふ、嘘でしょ」

「ほんとだよ」


井上くんはキンキンに冷えた手であたしのほっぺたを触った。

「わっっっ冷たいよ」


井上くんはあたしの反応を見て楽しそうに笑っていた。

「ーーー華ちゃん、」

「なに?」


井上くんは寝転ぶあたしを見下ろしながら、
冷たい手であたしの頭を撫でてきた。