「、、先生」
「ん？」
「見たの？」
先生は一瞬考えてすぐ、ごめん、気になっちゃって、と言った。
「、、どうするの？」
先生にそんなこと聞いたってどうにもならないってわかってるのに。
「梨花と恋人になるの？」
「そんなわけないだろ」
「じゃあお兄ちゃんになるの？」
黙ってしまった先生に追い討ちをかけて、
あたしはどんどん最低な人間になっていく。
「梨花が言ってた、
先生がなにかあったらいつでも言えよって頭ぽんぽんってしてくれたって
誰にでも優しいね先生は」
なんでこんなことを言ってしまうんだろう。
あたしも梨花みたいに、素直に好きって言えばいいのに。
本当はこんなこと言いたくないのに。
「、、先生だからな」
先生は困った顔で呟いた。
