「俺、初めて会った始業式の日からずっと華ちゃんの事好きなんだ」


「え、、」


福野先生は戸惑うあたしに構わずに続けた。


「でも俺知ってるんだ、
華ちゃんが中村先生のこと好きなの」


あたしの心臓はどきっ、と一回大きく跳ね上がって、そのまま激しい鼓動を続けた。


「、、、なんでですか?」


「華ちゃんの事ずっと見てたら嫌でもわかるよ。
華ちゃんはいつも中村先生を見てる」


福野先生は切ない顔をしている。

こんな福野先生は見たことがない。


「悔しいけど俺も好きなんだよな、中村先生のこと。
なんて言うか一生懸命だし、スマートでかっこいいのに不器用で可愛いとこあるし」


福野先生がこんな人だと最初からわかっていたら、もっと仲良くできたかもしれない。


福野先生はちらっとあたしを見て続けた。


「中村先生の好きな子も、きっと華ちゃんの事だよね。

俺、中村先生には勝てないから身を引くけど、最後に当たって砕けたかったから」

「華ちゃん、付き合ってよ」



福野先生はあたしに向かって手の平を差し出して来た。