「梨花に可愛いって言った。
島田先生が抱きついてた」

「あれは抱きついて来たんじゃなくて、、」

「いいよもう。
福野先生に絡まれてもあたしのことは助けてくれないし見てもくれない」


あたしはいつもこうなる。

言いたくないのに、困らせたくないのに、
わがままが止まらない。


「ごめんな、」

「謝らないで」


先生はいつも謝る。

悪くないのに、優しいから。


先生に謝らせる自分も、
仕方のないことを許さない自分も、
全部全部嫌になってくる。


「先生だって大人の男だもんね、彼女が居てもおかしくないよね。
いつも一緒にご飯食べるからこれからもずっと一緒にご飯食べれるって勝手に思ってたけど、違うよね」

「お父さんも急に居なくなった。
当たり前なんてないんだ」

「あたし梨花に先生のこととられたくなかったけど、
大人の島田先生には勝てないよ」


心の奥に溜めてたものが次から次へと溢れ出てきて、もう止まらなかった。

また先生の前で泣いてしまった。