5月になって、クラスの子たちともだいぶん馴染めて来た。


日本史の時間は先生に会うのが楽しみで、絶対にサボらないから他の教科よりも成績が良かった。


数学の時間、どうしてもわからない問題があった。


数学は福野先生で、あたしばっかり当てたくるの。

それが嫌で前回サボったからだ。


机に向かって悩んでると、福野先生が来た。



「華ちゃんここ埋まってないじゃん」


福野先生は、解けない問題を指差して言って来た。


「これどうやるんですか」


そう聞くと、福野先生はにこっと笑って、放課後教えてあげるから教室においで、と言って教壇に戻った。


いつの間にかあたしのことを華ちゃんと呼ぶ福野先生に違和感を感じながらも、放課後少しだけ教えてもらうことにした。