大きくなった自分へ。

わたしは、今なにをやってすごしていますか?

ケーキ屋さん?保育園の先生?

このどちらかがかなってればいいと思うけど

たぶん、かなえてはいないんだろうね。

でも、家ぞくにかこまれて笑ってすごしているのなら、それでいいです。

大好きなママがいて、優しいお兄ちゃんがいて、うるさいけど、かわいい妹、弟がいて。

……パパのことは好きですか?

わたしは好きです。

別れてしまったけど、好きです。

いつかまた、ぜんいんで笑いあえる日が来ることをいのっています。





10歳の自分より。

昔書いて、捨てようとした手紙が見つかった。

漢字がわからなくって習ったはずの漢字でもひらがなになっているぐちゃぐちゃで読みにくい汚い字で、当時の自分の気持ちが綴られていた。


純粋で、世界の汚さなんてしらない可愛らしい自分の気持ちだった。



そして、捨てたはずの日記が、押入れから出できた。

_
○月○日

今日から、ママときょうだいとすごせるようになるまで、にっきをかくことにした。

○日前、わたしがおきてなければ、パパとママははなれずに済んだのかな?

………今日は、ヒナタと先生と海辺や買い物にいった。

ヒナタが、きれいなかいがらを見つけて

「これママにあげるんだ!!」

っていってた。

ママもきっとよろこんでくれると思うよ。







○月✖️日

ヒナタが必要以上部屋の布団から出てこなくなったし笑わなくなった。

いつもなら、はーね遊ぼってヒナタから来るのに。

もう少し様子見てみることにしよう。(以下略)






#月○日

……ヒナタが泣いた。

周りの子にイジメられたらしい。

ヒナタの話しでは、

“お姉ちゃんと似てないな。”とか

“ブタはそれ以上太ってもしょうがないから飯食うな”とか。

わたしのしらない場所で言われていたみたいだ。

それをわたしや先生にはゆうなって言われたらしい。

ゆったやつゆるさん。





(略)

あ、そうだ、ヒナタをわるくいったやつを見つけた!

ヒナタとおんなじ部屋のやつだった。

_
……ああ、懐かしい。

両親が離婚した後、母が生計を立て直すまでという俺たちと母の間での約束で私たちは、施設に入ったんだ。

妹、ヒナタの元気が無くなってきたから無理矢理聞き出して、証拠をつかんだんだ。

そして俺は、そいつらに、

「あんたらがヒナタに言ったこと自分が言われたらどう思うの?
…ユリ、あんたにもたしかお姉ちゃん居たよね?お姉ちゃんと似てない、お前だけデブだとか、ブタはそれ以上太ってもしょうがないから飯食うなとか言われたらあんたはお姉ちゃんたちに言うんでしょ?カナも、先生にいうよね?

ヒナタは、言われたことを信じやすくって、ここんところ傷付いて居たんだからね!」

と言ったんだっけ。

まぁ、その後は、何故か俺が悪いみたいにお姉さん方に言いに言ったらしく、しばらくお姉さん方に無視されたけどね〜。

まぁ、その子たちが居なくなった瞬間抱きついて来て腕の中で泣かれたときはどうすればいいのかわからなくってヒナタの涙を拭って、こういうしかなかった。

「…泣いちゃダメだよ。

今は辛いかもしれないけど、その涙は、またみんなですごせる時に流そう?…ね?

だから、笑ってよ。ヒナタ。

ヒナタが泣いてるとママが悲しむよ?

とても辛くなったらおねーちゃんに当たってもいいし、愚痴こぼしてもいいからさ。」