それはちょっと

部長も私のことを名前で呼んだから、私だって部長のことを名前で呼んでもいいはずだ。

「早速名前で呼んでる…」

部長はクスクスと笑っているが、その顔は嬉しそうだった。

そんな彼とこれから先も一緒にいたいと思ったのは、私だけの秘密だ。

部長もわがままだけど、そう言っている私もわがままだ。

椅子に腰を下ろすと、
「いただきまーす」

一緒に両手をあわせて、料理を食べ始めた。

こうして彼と毎日顔をあわせて一緒に食事をする未来も遠くはないのかも知れない。

家族が増えて、にぎやかになる未来も案外すぐ近くにあるかも知れない。

先のことなのに考えている自分に、私は笑いたくなってしまった。

部長と一緒に食事をしながら、私はバラが入っている花びんに視線を向けた。

――彼と一緒に過ごすこの先の人生がバラよりも美しく、素敵な人生でありますように。

バラに向かって心の中で、私はそんなことを願った。

☆★END☆★