歩道橋の下には高速道路が見える。
どのくらい歩いたのだろうか。

人影は少なくなっている。どこかで酔っ払った男の人の笑い声が聞こえる。

私たちの真下を通過する車から送られた風が頬を撫でる。

毎日毎日働いて、夢さえも持てず、信頼できる人もいないこの広い世界で生きていく意味はあるのだろうか。

わたしはあーたんを抱き上げて、強く抱きしめた。

あーたんの柔らかい髪に顔を埋めた。小さな小さな腕がわたしの首に回っている。




「ごめんね、あーたん。こんなママでごめんね。」





頬をつーっと涙が伝ってゆく。