幸せの構図

私の胸の中でカラダを預けながら彼女が言った。

「私ね、後藤さんに嫉妬しちゃうんだ。だって私の知らないひろし君のこと、一番よく知ってる人でしょ。ううん、だからってキライなんじゃないよ。同じ理由ですごく親しみも感じるんだ。ごめんね。ちょっと寂しかっただけだから」

「りつこ、ありがとう。でもこれからの俺を一番よく知ることになるのはお前なんだぞ」

「私はひろし君の全部を知りたいの」

「そうか、そうだな。ゆっくり時間をかけてまた沢山お話ししてあげるよ」

「また朝までひろし君の演説会が始まるの?」

「あはは、りつこ!その調子だ♪」

私は彼女の腰をかかえて抱き上げた。