幸せの構図

「ねえ、そろそろお風呂にしよ」

彼女のその言葉に私は彼女の肩を抱いた。あごを引き寄せ長く熱いキスをした。応える彼女の吐息が甘かった。

お風呂でも軽く愛し合ったあと、湯上がりの彼女がカラダに巻いたバスタオルをはらりと床に落とし、立ったまま私を見つめた。

「ひろし君、私を見て・・・」

「りつこ・・・」

近寄って抱きしめようとする私を制して続けた。

「だめ、もっと見て。ね、私だけを見ていて」

彼女のカラダが紅潮していたのは湯上がりだけが理由ではないだろう。言葉そのものに熱がこもっていた。

「うん、りつこ、お前だけを見ているよ。ずっと、ずっと」

頭をほんの少しだけ横に傾けて安心したように微笑んだ彼女を見て私は抑えきれなかった。