私たちは緩やかに下界に降りていった。

確かに秋田での日常ではないが、とりたてて何がある訳でもない淡々とした長野での日常。しかしこの平凡な時間を心から幸せに思えた。
そばに理解しあえる人がいる。それがどんなにか有り難く幸せなことなのか、私たちは身に染みて感じていた。

しかしこの三日後に起こる出来事、いや、事件のことなどまだ想像もできない2人の笑顔だった。