私の質問にりつこは答えるだろうか。それなりの反応を示せばりつこはあの5年生のりつこだ。

しばらく無反応のりつこが肩を震わせた。教室の子供が手を挙げるようにりつこが右手を挙げた。

「先生!」

背の小さなりつこが私の胸に飛び込んできた。

りつこは、確かにあのりつこだった。感動で震えた。りつこの肩も小刻みに揺れていた。

私たちは互いに気が付かずに出会い、そして愛し合うようになった。当初、わずか1年ほどでここまで深い思いを抱くようになるとは思ってもいなかった。それほどまでに静かな愛情を感じることができた、どこか懐かしい空気。それは前世でも深い関わりのあった2人、またはツインソウル、いずれ赤い糸で結ばれた2人なのだと思っていた。いや、それを否定する必要もないが現実世界での深い絆をも私たちは培っていた。