きらめくダイヤモンドが風に揺れていた。りつこは最初に見た衝撃から徐々に心が落ち着きを取り戻した。それにも関わらず迫る風景に改めて感動していた。

ふと暖かな風がりつこを包んだ。初めての場所にもかかわらず懐かしい風。

彼から何度も聞かされた場所だから、そう思った。

違った。

声が聞こえた。

「人はどうして生まれてきたか、その理由がわかりますか？」

！？

ひろし君！

訳がわからず、声を出すこともカラダを動かすこともできなかった。

「それでは、生まれ変わりは信じますか？」

何が起きているのか分からなかった。

忘れもしない。教育実習で来ていた初恋とも言える淡い恋心を覚えた人。幼いりつこを理解してくれた初めての人。その人のホームルーム。その時の言葉。

でも聞こえたのはひろし君の声・・・


『なに？いったい何が起きてるの？』

教育実習での記憶が浮かんできた。霞みかけたその先生の顔が徐々に思い出されてきた。

その人のおよそ２０年の歳月を経たその面影が・・・今ピタリと一致した。

先生の言葉も、ひろし君の言葉も、同じだった。


りつこは全てを悟った。