りつこはようやく階段で上れる一番上、塔で言えば半分くらいの高さだろうか、そこにたどり着いた。360度の展望台とも言えるだろうか。しかしそこに張られた安全網には無数のカギがかかっていた。りつこには無数の虫が止まっているように見えた。
「気持ちわるっ!」
りつこは暗闇にたたずむ危うく錆びた電波塔の展望台をぐるりと歩き、茅ヶ崎方向が見えるであろう場所に行った。
かなりのカップルがただ寄り添ってその方向を見ていた。りつこ一人くらいはじゅうぶんにその方向を見る場所が確保できた。
「気持ちわるっ!」
りつこは暗闇にたたずむ危うく錆びた電波塔の展望台をぐるりと歩き、茅ヶ崎方向が見えるであろう場所に行った。
かなりのカップルがただ寄り添ってその方向を見ていた。りつこ一人くらいはじゅうぶんにその方向を見る場所が確保できた。


