実習の最終週、いよいよ社会科の実習とは関係ない「雑談」のできるホームルームの時間。

私は唐突に「恋愛」と黒板に書きなぐった。背中から可愛いヤジが聞こえた。想定内だった。振り向いてもざわめきは収まらない。

「じゃあこれから、先生の最初で最後のホームルームを始めます」

ちょっと静かになったが空気はまだ騒いでいた。

教壇に両手をついて皆を見渡すようにゆっくりと話した。

「まず最初にみんなに質問があります。みんなはどうして生まれてきたのかその理由がわかりますか?」

「先生!」