街の灯りを縫うように走る幾筋かの車の流れと微かに聞こえる街の音も私を現実に引き戻した。

私はりつこに電話をした。呼び出し音2回ですぐにりつこが電話に出た。

「どうしたの?」

「お前が俺を呼んだから」

「あれ、呼んだのはひろし君でしょ」

「お前も聞こえたのか?」

「うん、聞こえたよ」

「だよな・・・お前、今どこにいるんだ?」

「横浜」

「横浜?」