「まぁ、この前の電話で松田と小林が来るのはもちろんだけど、あとは内緒だ」

「ふ~、後藤さんらしいっすね。で、何時にどこですか?」

「夜の8時にお前が働いていた店だ」

「それ、具合悪いっす」

「大丈夫だ。何年前だと思ってる。お前を知ってる奴はもういないよ」

「でも社長が・・・」

「店には出てないよ。何歳だと思ってる」

「あ、そうですよね。ていうかまだ店、あるんですね」

「再開発にもひっかからず健在だ」

「なんだか複雑な気分です」

「それでいいな」

断る理由がなかった。