そろそろ上り坂も終わり、道成に左に曲がるとフラットな小道になった。民家が3,4軒見えた。急勾配のがけといってもいいような場所にしがみつくように家が建っており、下におりる石段もあった。

「え?」

りつこが視線を遠くに投げた瞬間に予想もしなかった風景が飛び込んできた。

「これがその夜景だわ」