ここは彼にとってのサンクチュアリだったのだろう。他の女の子と一緒の場面はなかったようだ。いつも一人だ。

りつこはそんな過去の彼の想いを抱きしめた。

「ひろし君、待っててね」

りつこもこの喫茶店に5時間居てみることにした。

夕方の3時すぎまで、あっというまに時間が過ぎていった。