ここはひろし君が常連だった店。オーダーの組合せも彼の極上の組合せ。アルバイトの姉ちゃんたちに「キリマンにいちゃん」と呼ばれていたほどの常連。

静かな空気の中で、彼の残存思念に触れることはそんなに難しくなかった。長い年月の間、雑多で多数の客が出入りしていたにもかかわらず鮮明な想いを感じることができた。