「そうですか。是非うだつの街並みも見ていってください。脇町っていうたらそれしかありませんから」

「そうですね、もちろん行ってみますよ」

「お客さんのホテルからは距離がありますから、また私を呼んでください」

「あはは、わかりました。宿に荷物を置いたらさっそく連れていってもらいましょうか」

特にあてもなかったが、一人で脇町を味わうつもりでいた私は運転手の提案に乗ってみることに予定を変更した。

「人に会う予定はいいんですか」

「気にしないでください。じゃ、少し待っててくださいね」