「いつも俺のそばにいてくれたんだね。ありがとう」

「お前がいつも私の『存在』に愛情を示してくれたからだ。私のほうこそ礼を言わなくてはならない」

相変わらず声はするものの、私の姿もムーアの姿も見えないままだった。ただ互いにほのかな光の存在のような感覚だった。

「それにしても、どうして今日はムーアなの?」

「りつこにも私の感謝を伝えて欲しい。彼女はお前と同じくらに私の『存在』を愛してくれている」

「了解。多分信じてくれると思うよ。でも、あの・・・もしかしてりつこの何かを知っている?」

「私は彼女の全てを知っている」