「先生、佐藤寿美子さんって知りませんか?」

私は唐突とも思えたがいきなり切り出した。どうせダメもとだし、ここまで来たのだし、彼女が育った町の空気に触れただけで目的は達したように思っていたから聞くだけ聞いてみようと思った。

しかし先生は意外な反応を示した。

「・・・・!!」

口に手を当てて驚いた様子だった。

私は食らいついた。

「先生!知ってらっしゃるんですね」